【言葉のチカラ】現実

新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中が大きな困難に直面しています。

しかし人類は今までも数々の苦難に遭遇しながら、そのたびにそれらを乗り越え、力強く立ち上がってきました。

「言葉」によって目に見えないものの存在や価値を認識することができる唯一の生き物である私たち人間は、そのような苦境に直面した時、たった一つの「言葉」との出会いによってその苦境を乗り越える勇気や希望を与えられることがあります。

言葉がもつそのような「チカラ」を信じ、ここでご紹介する言葉が、誰かにとってのそのような出会いの言葉となることを祈って。

現実というのは否定してはいけない。肯定してもいけない。容認しなくてはいけない。(松下幸之助)

松下幸之助は言わずと知れた「経営の神様」と称された名経営者。数多くの苦難を乗り越えながら一代で大企業グループを作り上げた彼の言葉は、特に苦境に立たされ、途方に暮れてしまいそうな私たちに大きな勇気と示唆を与えてくれます。

 

彼は一貫して「素直さ」の大切さを説き続けましたが、それはこの言葉にも表れていると思います。自分の思い通りにならない逆境に立たされたとき、私たちはそれを生み出した現実を否定し、苦境をその現実のせいにしてしまいがちです。また、逆に順境にあるときは、その現実をずっと続くものであるかのように肯定してしまいます。

 

「好況よし、不況もまたよし」という彼の言葉も有名ですが、どんな現実に直面しようとも、まずそれをそのまま素直に受け入れることが大切であり、その虚心の中から初めて現実を乗り越える知恵が生まれてくるのでしょう。

 

松下幸之助(1894~1989)

日本の実業家、発明家。パナソニックの創業者。