【言葉のチカラ】笑い
新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中が大きな困難に直面しています。
しかし人類は今までも数々の苦難に遭遇しながら、そのたびにそれらを乗り越え、力強く立ち上がってきました。
「言葉」によって目に見えないものの存在や価値を認識することができる唯一の生き物である私たち人間は、そのような苦境に直面した時、たった一つの「言葉」との出会いによってその苦境を乗り越える勇気や希望を与えられることがあります。
言葉がもつそのような「チカラ」を信じ、ここでご紹介する言葉が、誰かにとってのそのような出会いの言葉となることを祈って。
すべての日々の中でいちばんもったいないのは、笑わなかった日である。(ニコラス・シャンフォール)
笑うことができるのは人間だけ、とはよく言われることですが、私たち人間にとって「笑い」というのは生きていく上で欠かせないものであり、苦しいときの笑いほど心が救われることはありません。
せっかく生きているのだから笑って過ごしたい、というのは誰しもが思うことでしょうが、困難なときにあってはそれを忘れてしまうことも多々あります。「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」と言われることがよくありますが、楽しいことを待っているだけでなく、辛いときこそあえて笑顔で過ごす、という「意思」が必要なのでしょう。
この新型コロナ感染拡大の中で、コメディアンの志村けんさんが亡くなったことはとても大きな衝撃でした。そして失って初めて私たちにとっての志村さんの存在の大きさ、そして何十年にもわたって笑いを届け続けてくれたことの功績の大きさに気づかされた人は少なくないと思います。
それほどまでに私たちにとって大きな意義を持つ「笑い」。辛いときこそ、笑うことを忘れないでいたいものです。
ニコラス・シャンフォール(1741~1794)
フランスの劇作家、モラリスト。