J-VAC創業の背景

私がJ-VACを設立した理由は、低迷し勢いを失いつつあるISO業界を変えていくためでした。
なぜISO業界は低迷しているのか、
それはお客様が満足していないからです。
つまりISOが企業の業績に役立っていないからです。
ISOが経営に本当に役立つように審査をしなければ、誰もISOに見向きをしてくれなくなる懸念があります。

ISOが企業経営に役立っていない根本的な原因は、審査機関にしてもコンサルタントにしても、認証取得のためにしか企業を審査または支援してこなかったことです。
例えばマニュアルひとつにしても、どこかで作ったものをそのまま名前を変えて使っているだけで、審査機関もそれを容認してきました。
それでは経営に役立つシステムなどできるわけがありません。

審査の付加価値について間違ったとらえ方をしている審査機関も多く見られます。
例えばISOの要求事項にプラスアルファすること、ISO9004のような内容を要求することが付加価値だと思っていることです。

私たちは、審査報告にしても、単にチェックリストでチェックした報告書を作成するのではなく、実際の審査の現場に立ち合わなかった経営者が、どのような審査が実施され、どのプロセスで問題があったのかを容易にご理解いただける審査報告書を作成しています。
そのためには、“アウトプット”を見る審査が必要です。状況を見て、顧客のクレームがついていれば、どういう問題が発生しているのか、それを要求事項と比較して審査しています。
アウトプットではなく要求事項から見る審査では、要求項目を満たしているかどうかで終わってしまい、どんどん不適合がなくなってきます。アウトプットとして業績を上げる仕組みになっているかどうかが重要なのに、そこまでの審査をしていないからISOは経営に役立たないといわれるのです。
企業もそのような審査を受けているために経営と審査システムが別立てになり、審査の時にあわてて準備をすることになります。

私たちは、受審企業に対しては「何も準備をしないでください」と言っています。
現状のままを見せてもらえればいい。それで不適合があってもいいのです。
私たちが指摘する不適合に対して是正処置をしていただければ、必ず経営に役立つ品質マネジメントシステムになるからです。

ISO認証取得は、企業にとって投資である

私たちは日々、経営者の方々とお会いしてお客様が今、どんな状況で何を求めているかを知ろうとしています。
なぜならトップの考えとマネジメントシステムの目標が違ったら、社員は混乱します。実際、経営とISOが別立てになっている企業が多いのです。経営に役立たないISOには意味がありません。
特に審査において指摘しているのは、品質方針が組織の現状を把握した、今取組むべき目的になっていない点です。
そのために経営とは程遠い品質方針になっており、品質目標も組織が挑戦すべき品質方針に整合していないのです。

環境も、品質に役立たないものは環境目標ではありません。
品質に貢献できるものこそ、環境ISOなのです。
ISO認証取得は、企業にとって経費ではなく投資であるという認識を持って頂かなければなりません。
そのためには、関係機関の努力も必要です。

以前努めていた会社では、私は審査本部長をやっていましたが、その頃は営業と審査部門は完全に分離していて、営業が今、何をしているのかが見えなくなっていました。
J-VACでは、私が全てを把握しています。
私が直接現場に行って、経営者が今、何を求めているのかを的確に把握しています。
今日聞いてきたお客様の意見を持ち帰り、社内のみんなで議論して、翌日の審査にはしっかり反映させます。
これが中小審査登録機関の機動力であり強みです。
社長である私が先頭に立っていることが重要なのです。

またお客様にとって大切なのは、私たちが情報をしっかりつかんでいることです。
私自らが中小企業の経営者に会いに行き、生の情報をつかんでいます。
お互い中小企業のトップとして、同じ土俵に立って彼らが悩んでいることを解決しようと前向きに審査に取組むことができます。
当社は取締役に海外のスペシャリストを迎えていて最新の情報を得ることができます。
もちろん私自身も海外に飛び、情報収集します。

「ISOは取りたいが、それが経営の役に立たずに重荷になってしまったらどうしよう…」
そういうお客様が当社を選んで下さっています。
だからこそ、お客様のニーズやクレームには迅速に対応しなければなりません。
全ては顧客満足のためであり、そのために私と社員は同じ方向のベクトルを持って審査に取組んでいます。

私たちの夢は、日本一の顧客満足度を提供する審査機関となることです。
より付加価値を付けるために、その付加価値が何であるかを追求していくことです。
私たちが目指す付加価値の審査とは、審査員のスキルアップを継続して行い、審査のアプローチを常に改善し、組織の改善の機会を見つける指摘を勇気を持って行い、改善の方向を明確に示した審査報告書を提供していく努力を惜しみなく提供することです。
このような活動を実施することによって企業は認証取得を投資として考えるようになると確信しています。

J-VACの信念

付加価値の審査を提供する新しい発想の認証

J-VACは「付加価値の審査を提供する新しい発想の認証」を旗印に設立された審査機関です。
従来型の審査機関とは異なり、お客様である企業の業績向上に役立つ認証登録サービスを目指して、お客様のニーズと期待に沿った付加価値のある審査を提供しつづけるべく日々努力しております。
この付加価値とは、企業が戦略上の目的を達成し、業績向上を果たしていくために、ISOの審査を通じて、組織の経営にとって真に役に立つサービスを提供することです。

ISO審査において、ISOの規格の解釈に誤解があり、現在持っている力を有効に活用することができずに、実際とは異なる別のマネジメントシステムとなってしまい、膨大な手順書と記録の管理に追われている、という状況をよく見かけます。
一方、新たに認証取得を目指しておられる組織においても、厳しい経済状況下の競争市場でこれまで培ってきた技術力をベースに必死に努力される中で、競争に打ち勝つために差別化が必要であることを組織の経営トップの方々は強く感じておられます。

また、昨今企業の不祥事が大きな社会問題として取り上げられる例が多発しております。
ISO規格の要求事項は全てがリスク管理であり、従って組織のリスクを適切に考慮して審査を行うならば、ISOのマネジメントシステムは組織のこれらの問題に対処する有効なツールになりうると信じております。
従って、当社の審査では、先ずその企業がどのようなリスクをもち、どのような主要プロセスをもっているかを明確にし、それらのリスクがそれらの主要プロセスを通じて適切に管理されているかを審査してまいります。

審査員への教育・訓練を継続実施

真に企業の業績に役立つ認証サービスを提供していくためには、審査登録機関は、直接お客様に接する審査員の力量を上げ、付加価値をつける審査を提供することができるように努力する必要があります。

そのためには、常に審査員に対して新しいマネジメントシステムに関する情報を提供し、全ての審査員がISOの要求事項を正しく理解し、それぞれの組織が求めるニーズ・期待と状況に合った付加価値審査のスキルをもつための教育・訓練を継続して実施していくことが必要であると信じております。
そして、組織に合った言葉で相互に理解し合えるように努力を払い、審査の完全性を損なうことなく、組織の企業文化に即した審査を行ってまいります。

不適合の指摘に対する考え方

ISOのマネジメントシステム審査とは、組織がISO規格の要求事項を満たしたマネジメントシステムを効果的に実施し、維持しているかどうかを評価することです。
従って、要求事項を満たしていない部分が発見されれば、それは不適合として指摘をする必要があります。
しかしながら、これは組織の問題点をあら捜しすることが目的なのではなく、組織が更に改善する上で優先的に対処すべき重要な事項を明確にし、効果的な対策を早急にとってもらうことを目的としています。

従って審査員は、審査において、組織の欠点ではなく、事実を探すことに重点を置かなければなりません。
そして、審査での証拠から不適合事項があることが分かったときは、その不適合事項を正しく記録することが必要です。
これを正しく示すために、不適合の記録には、

①発見した事象の証拠、
②その不適合事項に該当する要求事項、及び
③不適合の声明

の3つを含まなければならず、これにより審査員は、発見した事実を組織にしっかりとご理解頂けるよう、十分説明をする必要があります。

従って審査員は、審査において不適合の証拠を示すことができなければ不適合として指摘することはできませんし、また、該当する要求事項がない場合も不適合を指摘することはできません。

不適合事項は、このように組織が優先的に対処すべき点を明確に示すものであるため、審査員は、不適合事項であるのにそれを何らかの和らげた形(例えば、「observations(観察事項)」、「opportunities for improvement(改善の機会)」、「recommendations(推奨事項)」など)で表現してはなりません。
本来不適合である事項を不適合として指摘しないと、是正処置に対して本来よりも低い優先度を与えることになり、これは長期的に見ると、組織、その顧客、そして審査登録機関の誰のためにもなりません。

「不適合」という名称が否定的な印象を与えることから、一般的に組織は不適合の指摘を受けることを好まれませんが、これはあくまで効果的なマネジメントシステムの維持のために処置を取る必要のある事項を示したものであり、不適合がマイナーである場合には、それによって認証の取り消しや一時停止になるということはまったくありません。

当社の指摘事項を見てみると、明らかに要求事項を満たしていないと思われる事項について、その表現を和らげて「観察指摘事項」という形で指摘されている例が散見されました。
このような傾向が現在のISO審査において広く見られることについては、財団法人日本適合性認定協会(JAB)も大きな懸念を示しており、日本一の顧客満足度を達成する審査登録機関を目指す当社としても早急に改善処置を取る必要があると考えます。
更に、不適合事項に対する組織の是正処置についても、十分な原因の究明がなされないまま、再発防止ではなく単なる修正処置に終わっている傾向が強く、またそれを容認してしまっている傾向があります。

このような状況を改善するために、当社といたしましても、不適合の指摘に対する考え方について再度審査員に対して教育を徹底し、更に、不適合が発見された場合に組織にご提出をお願いしております「審査不適合に対する処置要求書」の見直しも行いました。
これにより、発見された不適合をよりよく組織にご理解いただき、本当に有効な是正処置を実行し、同じような不適合が発生することを防止することに貢献できると信じます。

当社の目標はISO規格の要求事項を正しく解釈し、日本一の評価を得る企業の業績に役立つ審査を提供できる審査登録機関であります。
以上のことをご理解いただき、今後とも当社へのご支援とご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

J-VAC創業者・会長
森田 允史