【ISO14001】6.2 環境目標及びそれを達成するための計画策定(2)

マネジメントシステムが目指すべき目標を決めよう

(前回の続き)

どのように目標を運用すべきか?

 

上で見たように、6.2.1のa)〜b)が環境目標の「中身」に関する要求であるのに対し、続くc)〜e)は環境目標の「運用」に関する要求であると言えます。ここでは、目標の達成状況を監視し(c)、目標を伝達し(d)、必要に応じて目標を更新する(e)ことが要求されています。

 

組織にとって意味のある適切な目標を設定することは非常に重要なことです。しかし、それを設定した「だけ」では意味はありません。それがきちんと組織内の人々に理解されなければ、目標に向けた活動が実施されないでしょうし、その達成状況が監視されなければ、目標達成ができそうかどうかが分からず、途中で目標達成に必要な軌道修正ができないでしょう。そして、目標を設定したときと状況が変わったときには目標自体も必要に応じて見直して更新しなければ、組織にとって意味のない目標を追いかけることになってしまうかもしれません。ここでは、そのようなことのないように、目標を適切に運用することが要求されているのです。

 

目標を達成するための計画をどのように立てるか?

 

後半部分(6.2.2)では、環境目標の達成計画について要求されています。目標を達成するためには、それが日々の実際の活動につながるように、「計画」が立てられることが非常に重要です。ここでは、この目標達成のための計画を立てる際に満たさなければならないことが以下のように規定されています。

  1. 何をすべきか(実施事項)
  2. どのような資源が必要か(必要な資源)
  3. 誰が責任を持つか(責任者)
  4. いつまでに完了するか(達成時期)
  5. 結果をどのように評価するか(結果の評価方法)

 

ここでの重要なことは、計画の「具体性」です。目標達成の可能性を高めるためには、ここで要求されているような事項に対して十分に具体的な計画が立てられていなければなりません。しかしながら、この計画が単なる「進捗の確認」のようなものになってしまっているケースも見られますので、そのようなことのないよう注意が必要でしょう。

 

例えば、環境目標が「加工効率アップによる製造での電気使用量の削減」であれば、その達成計画では以下のようなことを明らかにすることが必要でしょう。

  • 何をするか?・・・工程・製品ごとのエネルギー効率の調査と加工手順・条件の見直し
  • どのような資源が必要か?・・・改善プロジェクトメンバー(製造技術部員、製造部員)、テスト用材料
  • 誰が責任者か?・・・製造技術部長
  • いつ完了するか?・・・来年度末
  • 結果はどのように評価するか?・・・原単位あたりの電気使用量の比較

 

書籍:「ISO14001:2015 完全理解」

今回初めての大改定となったISO14001:2015。
その背景には、めまぐるしく変化する社会情勢や、
その影響が無視できないほど大きくなりつつある地球環境の変化があります。
本書では各要求事項をその意図を含めて解説することで、
用語にとらわれない、要求事項が組織に求める「本質」を明らかにしていきます。