【言葉のチカラ】コミュニケーション

新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中が大きな困難に直面しています。

しかし人類は今までも数々の苦難に遭遇しながら、そのたびにそれらを乗り越え、力強く立ち上がってきました。

「言葉」によって目に見えないものの存在や価値を認識することができる唯一の生き物である私たち人間は、そのような苦境に直面した時、たった一つの「言葉」との出会いによってその苦境を乗り越える勇気や希望を与えられることがあります。

言葉がもつそのような「チカラ」を信じ、ここでご紹介する言葉が、誰かにとってのそのような出会いの言葉となることを祈って。

人間はダイヤモンドだ。ダイヤモンドを磨くことができるのはダイヤモンドしかない。人間を磨くにも人間とコミュニケーションをとるしかないんだよ。(チェ・ゲバラ)

エルネスト“チェ”ゲバラはカストロらと1959年にキューバ革命を成功させた革命家です。20年以上前に一度キューバを訪れたことがありますが、アルゼンチン人でありながら紙幣に肖像が載り、革命広場に壁画が掲げられ、今でも国民から愛されている様子がうかがえました。また、その著書(『モーターサイクルダイアリーズ』)や生涯は数多く映画化され、未だに根強いカリスマ的人気を誇っています。

 

この言葉は、人間を愛し続けた彼らしい言葉だと思います。現在コロナで人と人との直接のコミュニケーションが途絶されがちな中、私たちは新しい技術を駆使して新しいコミュニケーションの形を模索していますが、私たちは人とのコミュニケーションを決してやめることができない存在であり、それによってしか自らを磨くことができない存在なのでしょう。コロナ、そしてこれから発生するかもしれない新しい感染症に直面しても、新しい形での人と人とのつながりをつくり、それによってさらにコミュニケーションの質と多様性を上げていく努力をしていきたいと思います。

 

その後大陸革命を目指した彼はボリビアでゲリラ部隊を指揮し、1967年にアンデス山中で捕らえられ、銃殺の後遺体は無名のまま埋められました。彼の最期の言葉は、彼を撃つことを躊躇し撃ち損じた兵士に向かって言った、「お前の目の前にいるのは英雄でも何でもないただの男だ。撃て、臆病者め!」だったと言います。

 

チェ・ゲバラ(1928~1967)

アルゼンチン生まれの革命家、政治家。キューバのゲリラ指導者。