【言葉のチカラ】創造

新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中が大きな困難に直面しています。

しかし人類は今までも数々の苦難に遭遇しながら、そのたびにそれらを乗り越え、力強く立ち上がってきました。

「言葉」によって目に見えないものの存在や価値を認識することができる唯一の生き物である私たち人間は、そのような苦境に直面した時、たった一つの「言葉」との出会いによってその苦境を乗り越える勇気や希望を与えられることがあります。

言葉がもつそのような「チカラ」を信じ、ここでご紹介する言葉が、誰かにとってのそのような出会いの言葉となることを祈って。

極限状態での可能性の追求が、本当の意味での創造につながると私は考えています。(安藤忠雄)

現在の世界的な新型コロナウイルスのパンデミックは、人の動きや関わりが強制的に止められる、いわば「極限状態」と言えると思います。

 

このような自由が極端に制限される状況の中にあって、ただ単にその状況を受け入れるだけではなく、テクノロジーの助けも借りながら、多くの人々が少しでも状況をより良いものにしようと様々な工夫を始めています。

 

「ニューノーマル」という言葉に象徴されるように、コロナが終息した後にやってくる世界は、コロナ以前とは確実に異なる世界になっているでしょうし、異なる世界にしていかなければならないと思います。そして、コロナ後の世界をより良いものにしていくことができるかどうかは、今の極限状態において、いかにゼロベースで新たな可能性を追求し、創造性を発揮することができるかということにかかってくるのでしょう。

 

安藤忠雄(1941~)

日本の建築家。