【言葉のチカラ】歴史

新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中が大きな困難に直面しています。

しかし人類は今までも数々の苦難に遭遇しながら、そのたびにそれらを乗り越え、力強く立ち上がってきました。

「言葉」によって目に見えないものの存在や価値を認識することができる唯一の生き物である私たち人間は、そのような苦境に直面した時、たった一つの「言葉」との出会いによってその苦境を乗り越える勇気や希望を与えられることがあります。

言葉がもつそのような「チカラ」を信じ、ここでご紹介する言葉が、誰かにとってのそのような出会いの言葉となることを祈って。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。(オットー・ビスマルク)

オットー・ビスマルクは、北ドイツ連邦首相、ドイツ帝国首相を歴任したドイツ統一の中心人物で「鉄血宰相」とも呼ばれた政治家です。

 

経験は大切ですが、自分一人の経験を振りかざし、それを絶対視するのも早計でしょう。長い人類の歴史に比べれば、たかが一人の人間が数十年間に経験したことなどは取るに足らないものということすら言えるかもしれません。この言葉は、そんな自分の限られた経験を過信しそうになったときにそれを戒めてくれる言葉だと思います。

 

しかし一方で、この数十年の間に私たちが経験した様々な出来事を振り返ってみたとき、それらの経験からきちんと学ぶべきことを学んでいるかと問われたら、はなはだ心もとない思いになることも多々あります。そう考えると、歴史に学ぶことはもちろん、私たちはそんな自分の限られた経験に学ぶことすらも時として簡単ではない、ということも言えるのかもしれません。

 

今回のコロナ禍での経験を忘れることなく、そこから学ぶべきことをしっかり学び、将来に活かしていくことができなければ、私たちはビスマルクの言う「愚者」にすらなれない、ということも言えるのではないでしょうか。

 

オットー・ビスマルク(1815~1898)

プロイセン、ドイツの政治家、貴族。