【ISO14001】4.4 環境マネジメントシステム(2)

自分たちのシステムにどのようなプロセスがあるのかを明らかにしよう

(前回の続き)

「プロセスをPDCAサイクルに基づいて管理する」とは

 

ただ「マネジメントシステムを構成するプロセスを明確にした」だけではプロセスアプローチとは言えません。もう一つ、それらの個々のプロセスを「PDCAサイクルに基づいて管理」する必要があります。「PDCAサイクル」とは、ISO14001:2015の0.4で以下のように説明されています。

  • Plan:組織の環境方針に沿った結果を出すために必要な環境目標及びプロセスを確立する。
  • Do:計画どおりにプロセスを実施する。
  • Check:コミットメントを含む環境方針、環境目標及び運用基準に照らして、プロセスを監視し、測定し、その結果を報告する。
  • Act:継続的に改善するための処置をとる。

 

つまり、それぞれのプロセスで「計画(P)」「実施(D)」「監視(C)」「処置(A)」のサイクルが繰り返し回され、結果として継続的改善につながるような形でプロセスが運用されるようにする必要があります。例えば、製造業における製造プロセスであれば、「P」では製造プロセスをどのように行うか(手順)が手順書やフローチャートなどで計画され(環境マネジメントシステムですから、当然その中には環境負荷を低減するための手順も含まれます)、「D」ではその計画(手順書やフローチャート)に従って実施され、「C」では製造プロセスを運用した結果として環境パフォーマンス(例 エネルギー使用状況、廃棄物の排出状況等)に関する指標が監視・測定され、「A」ではそれらのパフォーマンスが悪かった場合にその改善処置がとられることになります。

 

なお、PDCAサイクルの考え方は個々のプロセスのレベルだけでなくマネジメントシステム全体のレベルにも適用されます。つまり、システムが全体として適切に計画され(P)、個々のプロセスを通じて実施され(D)、その結果としてのシステムのパフォーマンスが監視され(C)、その結果を受けて必要な改善が行われる(A)ことが、システムのレベルでも必要です(下図参照)。

プロセスから構成されるマネジメントシステム

 

「包括的なプロセス要求」とは

またこの項目では、「包括的なプロセス要求」がされている点にも注意が必要です。「プロセス要求」とは、「~するプロセスを確立しなければならない」というような形で、「必要なプロセスの確立を要求」している要求事項のことで、これに対して、単に「~を実施しなければならない」と、プロセスの確立については言及せず、実施のみを要求しているように書かれている要求事項を「絶対要求」と呼ぶことがあります。そのような目でISO14001:2015(ISO9001:2015や他のマネジメントシステム規格もそうですが)を見ると、多くの要求事項は「絶対要求」の形で書かれていることに気づくと思います。だとすると、このような「絶対要求」で書かれた要求事項では、プロセスの確立は必要ないのでしょうか。

 

当然のことながら、ISO14001をはじめとしたマネジメントシステム規格は、あくまで「システム」規格であるので、結果的にできている、というだけでは十分ではなく、それがきちんと一貫し、再現性があることが重要です。従って、「絶対要求」で書かれた要求事項であっても、プロセスを確立する必要はなく、結果的に実施できていればそれだけで良い、というのは適切ではありません。ですが、いちいちすべての要求事項で「~するプロセスを確立し、実施しなければならない」と書くのはいかにも回りくどくなりますので、この4.4で、全体に網をかけるような形で(包括的に)プロセスを必要な程度確立することが要求されていると考えることができます(「必要な程度」というのは、リスクを考慮して組織が決めることになります。

 

また、「プロセスを確立する」ための一つの方法として「文書化」することが挙げられますが、これはあくまで一つの方法であって、必ず文書化しなければならない、ということではありません。なお、同様のプロセスの要求は、後で出てくる8.1「(運用の計画及び管理)一般」にも見られます。これは、4.4がシステムの全体レベルで包括的なプロセス要求をしているのに対して、運用レベルについて包括的にプロセス要求をしている項目と考えることができます。

 

マネジメントシステムは「結果オーライ」ではダメ!

 

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