【ISO14001】9.3 マネジメントレビュー(2)

環境マネジメントシステムの適切性、妥当性、有効性をレビューしよう

(前回の続き)

マネジメントレビューに何をインプットすべきか?

この項目の中ほどでは、マネジメントレビューでインプットされ、考慮されるべき事項が以下のように列挙されています。

  • 前回までのマネジメントレビューの結果とられた処置の状況
  • 以下の事項の変化
    • 環境マネジメントシステムに関連する外部・内部の課題
    • 利害関係者のニーズ・期待(順守義務を含む)
    • 著しい環境側面
    • リスク及び機会
  • 環境目標が達成された程度
  • 以下の傾向を含めた、環境マネジメントシステムのパフォーマンスに関する情報
    • 不適合・是正処置
    • 監視・測定の結果
    • 順守義務を満たすこと
    • 監査結果
  • 資源の妥当性
  • 利害関係者からの関連するコミュニケーション(苦情を含む)
  • 継続的改善の機会

 

上記のように、これらの事項を考慮すべき頻度はそれぞれ異なるでしょうから、例えば毎月の経営者が参加する会議を主なマネジメントレビューの場とした場合、全ての項目を毎回インプットする必要はないでしょう。しかしながら、これらの事項のうちのあるものがずっとインプットされない、ということのないように、一定の期間(通常は1年のことが多いでしょう)で全ての事項が何らかの形でインプットされる必要があります。

マネジメントレビューから何をアウトプットすべきか?

この項目の後半では、マネジメントレビューからアウトプットすべき事項が以下のように規定されています。

  • 環境マネジメントシステムの継続的な適切性、妥当性、有効性に関する結論
  • 継続的改善の機会に関する決定
  • 環境マネジメントシステムの変更の必要性に関する決定(資源を含む)
  • 必要な場合、環境目標が達成されていない場合の処置
  • 必要な場合、他の事業プロセスへの環境マネジメントシステムの統合を改善する機会
  • 組織の戦略的方向性に対する示唆

 

つまり、上記のようなインプット情報に基づいて、経営トップは、自分たちの環境マネジメントシステムについてどのような改善の機会があるのか、環境マネジメントシステムを変更する必要があるのか、人や設備機器、知識といった資源を追加する必要があるのか、目標未達の場合何らかの処置をとる必要性はあるのか、どのようにしたら環境マネジメントシステムと事業プロセスをよりよく統合することができるか、戦略的にどのような方向性をとっていくべきか、といったことについて決定し、必要な処置を指示することが求められています。

 

マネジメントレビューからのアウトプットがいつも「特にない」という組織がたまに見られますが、それでは「自分たちは継続的改善を何も実施していない」と言っているのと同じことです。このような形骸化したマネジメントレビューにならないよう、適切な情報に基づく効果的な意思決定ができるような仕組みにすることが非常に重要です。

マネジメントレビューの仕組み

なお、マネジメントレビューの結果は文書化した情報(記録)として保持しなければなりません。多くの場合、会議の議事録やそこでの資料といった形で記録が残されるでしょうが、このような記録は、当然ながら7.5.3の「文書化した情報の管理」の要求事項に従って管理する必要があります。

書籍:「ISO14001:2015 完全理解」

今回初めての大改定となったISO14001:2015。
その背景には、めまぐるしく変化する社会情勢や、
その影響が無視できないほど大きくなりつつある地球環境の変化があります。
本書では各要求事項をその意図を含めて解説することで、
用語にとらわれない、要求事項が組織に求める「本質」を明らかにしていきます。