ISOマネジメントシステム規格の追補版(Amendment)について

【変更の背景】

ISO20239月にオーストラリアのブリスベンで年次総会を開催し、そこで技術管理委員会(TMB)は、気候変動に関するロンドン宣言に関連するISOの行動計画をサポートするためにマネジメントシステム規格がどのように役立つかについての提案を議論しました。その結果ISOは、既存のマネジメントシステム規格に2つの新しいテキスト声明を追加し、開発中・更新中のすべての新規規格に含めるという決議を行いました。

【変更の内容】

ISOマネジメントシステム規格の共通構造を示した付属書SLに以下のような追加(下線部)がなされました。

4.1
組織は、その目的に関連し、そのXXXマネジメントシステムの意図された結果を達成する能力に影響を与える外部及び内部の課題を決定しなければならない。組織は、気候変動が関連する課題であるかどうかを決定しなければならない。

4.2
組織は以下を決定しなければならない。
・XXXマネジメントシステムに関連する利害関係者
・これらの利害関係者の関連する要求事項
・これらの要求事項のうち、どれがXXXマネジメントシステムを通じて対処されるか
注記:関連する利害関係者は、気候変動に関連する要求事項を持つことがある。

これらは、通常は次回の改訂で反映されるものですが、今回、この部分の追加に関して、全てのISOマネジメントシステム規格に急遽追加がなされることになり、2024/2/23に追補版(Amendment)という形で修正された規格が発行されました。

【変更の目的】

この変更は、上記の通り、気候変動に関するロンドン宣言をISOマネジメントシステム規格の運用において支援することにあります。この変更によって、組織は、組織の課題や利害関係者の要求事項の中に気候変動に関するものがありうることを認識し、少なくともそれについて考慮することが期待されています。

【追補版への対応】

  • 追補版に対して移行手続をとる必要はありません。
  • この変更は、気候変動に関するロンドン宣言をISOマネジメントシステム規格の運用において支援することにあります。この変更によって、組織は、組織の課題や利害関係者の要求事項の中に気候変動に関するものがありうることを認識し、少なくともそれについて考慮することが期待されています。
  • なお、審査における対応については、現在、認定機関からの情報を待っている状況であり、具体的な対応内容は未定です。そのため、認定機関から対応に関する指針が出るまでは、審査の中で追補版の内容に基づく評価は実施しません。

今後の審査における対応については、認定機関からの対応に関する指針が発行され次第皆様にご連絡いたします。