ISO9001/ISO14001:2015年版に移行するための流れをわかりやすく解説

2-7. ライフサイクルの視点の重視(ISO14001固有)

ISO14001固有の変更点では、何といってもこの「ライフサイクル」の視点が強調されていることが重要な点として挙げられるでしょう。

それでは「ライフサイクル」とは何でしょうか。「ライフ」(生命)の「サイクル」(周期)、つまり「一生」ということです。何の一生かというと「製品・サービス」の一生です。従って、組織は自分たちが提供する製品・サービスの一生を考えて、それに関連する環境的な影響を考慮しなければならないわけです。(6.1.2)

今までの規格では「組織が管理できる」環境側面だけでなく「組織が影響を及ぼすことができる」環境側面も考慮しなければならない、という形で要求されていましたが(ISO14001:2004, 4.3.1)、今回の改定ではこの考え方を「ライフサイクルを考慮して」というより包括的で一般的な表現で捉え直したと言えるでしょう。

では、具体的に「ライフサイクルを考慮」するとは、どのようなことを意味するのでしょうか。これは、「誕生」(例 原材料の産出)から「死」(例 製品の廃棄)に至るまでの製品・サービスの「一生」を考える、ということです。例えば、組織がある製品を製造する製造業であれば、自分たちが行う製造の段階だけでなく、その前の原材料の産出から材料の加工、そして自分たちが加工した後、その製品が運搬され、顧客に使用され、最終的に廃棄されるまでの間に環境に与える影響を考慮する、ということです。

どんな組織もこの製品ライフサイクルの中のある段階を担うプレーヤーであり、そのライフサイクルには、自分たちの上流(例 原材料産出業者、材料加工業者など)と下流(例 運送業者、顧客、エンドユーザー、メンテナンス業者、廃棄業者など)にも他のプレーヤーがいます。そして「調達(購買)」によって上流に、「設計」によって上流と下流に影響を与えることができる可能性があります。そこで、改定規格では更にこれらの機能(調達や設計)を通じて、ライフサイクルの上流・下流に対して必要な環境上の配慮がなされるような管理を要求しています。(8.1)

今までの規格でも「組織が影響を及ぼすことができる環境側面」も考慮する、という形で要求されていた内容が、新たに「ライフサイクルの視点」として捉え直されることで強調されていることを理解し、自分たちの組織の中の、いわゆる「紙・ごみ・電気」に留まらない、より広汎な環境活動を展開するきっかけとして改定規格の意図を捉えることが重要です。

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