お客様の声

「経営者としていい仕組みを作るために、
ISOを活かしてください」
という考えが息づいているな、
と思っています

 

株式会社ワカ製作所様


本社2階に展示されている製品見本

株式会社ワカ製作所様は1958年に創業、高周波同軸コネクタ・アダプタ、高周波同軸ケーブル、デジタルインターフェースなどの高性能部品を設計・製造されているほか、リチウムイオン事業、機械加工事業を展開されています。
長野県の松本と麻績に国内工場があり、本社及び松本工場が1999年にISO9001、2004年にISO14001を取得、麻績工場が2003年にISO9001、2004年にISO14001を取得されました。弊社には2004年に移転され、以後2回の更新を経ておられます。
今回は若林佳之助 代表取締役社長(写真中央)、清水毅彦 製造部部長(写真左)、宮崎和浩 製造部品質保証課課長(写真右)にお話をお伺いしました。
(聞き手:J-VAC篠木(審査員)、森岡(広報担当))


森岡:ISOを取得されたきっかけについてお聞かせください。

 

清水:世の中の流れですよね。お客さんの要求があったということと、同業がどこも取得するので「うちも取らなくては仕事にならない」と考えたことがきっかけですよね。
最初は外資系の審査機関にお願いしていたんですが、そこの審査の仕方が細かかったんですよ!「ハンコを押していない」とか。J-VACさんとはえらい違いですよね。
マニュアルや手順書も当時の思想で、ISOの規格そのものを忠実に実現しようとしてしまったんで、大袈裟なんです。そう思われますよね?

 

篠木:文書量はだいぶ多いな…っていう気はしますね(笑)

 

森岡:移転を決められたのには、何かきっかけがあったんでしょうか?

宮崎:当時、年4回のサーベイランスがあったんですが、1つは審査機関との間がマンネリ化し、審査内容について格別目新しさも感じなくなったこと。そして、もう1つは費用面です。
その時、当時の弊社社長と懇意にしていた会社様からJ-VACさんをご紹介いただきました。

 

森岡:そこで、弊社をご選択いただいたのは、なぜだったんでしょうか?

 

清水:紹介して頂いた会社様より、J-VACさんの評判も良く、形式的な審査ではなく、実のある審査をしていただけるという判断だったのだと思いますよ。
実際に審査をしてもらっていても、必要以上に細かなことは言われないですよね。
「経営を良くしよう」という視点で見ていただいているので、そういう点で選ばれたのだと思います。あとは、やはり金額的なことです。

 

篠木:当時は、とくに外資系の審査機関などは強気だったかもしれませんよね。今では考えられないですが。

 

清水:今は、価格勝負みたいな状態なんですよね?

 

篠木:そうですね、どこも厳しい状況ですから…。
そんな中弊社としては、審査員1人日当たりでお支払いいただく組織様に対して、それだけの価値を見出していただける審査を行なっていきたいと考えています。

 

若林:私は審査全体を通して見ているわけではないんですが、審査冒頭のインタビューでは、よく経営者の話を聞いて意図を汲んでくださって、それを各プロセス審査に組み入れてくださっているな、という気はしていますよね。
とくに昨年、技術部門の審査に同席した際、佐々木さん(J-VAC専務取締役/審査員)が上手いこと審査してくださるな、という印象を持ちました。
ただ形式的な質問をするのではなく、私にして見ればマネジメントレビューという面から、仕組みが上手く機能しているかを引き出す指摘をしてくださいました。
「経営者としていい仕組みを作るために、ISOを活かしてください」という考えが息づいているな、と思っています。

 

森岡:若林社長がこちらにいらっしゃったときには、すでに弊社に移転された後だったんですよね?

 

若林:そうですね。ただ、以前勤めていた会社でもISOは取得していて、毎年審査を受けていましたけれども、そこと比べても、マネジメントレビューという視点に重きを置いて審査されている印象があります。
前の審査機関では、ルールどおりにきちっとやっているかを見る“監査”という感じでしたから。



当時は町工場的で…
皆「できっこない!」って思っていたかもしれません。
でも、そういう現場にこそISOの効果は抜群でしたね。

 

製品に関する詳細かつわかりやすい什器。
展示会などに使用されるとのこと

 

ネットワークアナライザーを使った測定の様子を見せてくださいました

森岡:ところで、HPを拝見しても、御社では自社の製品、自組織について大変よく分析をされていて、どこが強みなのか、どこを強調していかなければならないのかを理解し、また、それを内外へと発信する術を得ていらっしゃるような印象を受けました。

 

若林:そうですね、強みの分析をきちんと行なって、それを言葉にし、企業理念、経営ビジョン、経営戦略に落とし込んで展開をしている方だとは思います。
先ほども経営会議をやっていて、今年度の経営方針が…などという話をしてきましたが、それをいかに浸透させて、一人ひとりの動きに落とし込んで行くのかが、なかなか難しいところではありますね(笑)

 

森岡:そうはおっしゃっても、審査にお伺いしたことのある篠木からも、御社のパートタイムを含めた社員の方々のモチベーションの高さには目を見張るものがある、と聞きました。

 

清水:篠木さんに審査いただいた、麻績工場ですね。
あそこは、土地柄もあって女性パワーがすごいですよ(笑)。
指示をしなくても、自分で考えて、仕事をきちんとやってくれます。

 

篠木:麻績工場で行なっている半田付けについては、御社製品の肝でもあると思うんですが、本当に職人技ですよね。技術がしっかり継承されているからこそ、どの方でもしっかり作業ができているんだな、というのは審査時も感じました。

 

若林:ベテラン社員たちからも昔のことを良く聞くんですが、地道にコツコツと作り上げていく、お客さんの期待に応えていくという実直さは創業当初からあったようです。そういうところはまた、うちの社風として根付いているのかな、と思っています。
計画的に社員に方向性を示してモチベーションを上げて…というのとは、ちょっと違うかもしれませんけどね。昔はそういったものは、ありませんでしたから。

 

清水:私は15年間ずっと麻績工場にいたんですが、麻績工場でもISOを取得しよう、となったときには、皆「できっこない!」って思っていたと思います。
当時は町工場的で、記録文書もバラバラで、トレーサビリティという概念もありませんしね。使わないものも、作業台に置いてあったし、…でも、そういう現場にこそISOの効果は抜群でしたね。
ISOは本社、松本工場が先に取得して、麻績工場はそれに倣って、遅れて取得活動を開始したのですが、今では、麻績工場が一番まじめに取り組んでいるかもしれない。そんなこと言ったら他の部署に怒られるかもしれませんが(笑)。

 

森岡:御社は品質マネジメントシステムと環境マネジメントシステムを合わせた、統合マネジメントシステムを採用されていますよね?

 

宮崎:大手企業顧客が環境に対して早くから取り組み始めたということと、当時の担当者が、今後は品質も環境もオーバーラップしてくるだろうと判断して、統合を進めたという経緯があります。

 

篠木:環境に対する顧客の要求というのは、やはり絶対的なものですか?

 

宮崎:今は、各メーカーさん、品質よりも環境を重視する傾向にありますから。
監査に入るにしても、まずは環境監査、という感じで。実際、ISOの規格以上に、顧客の要求の方が厳しいくらいです。
ただ、顧客の要求は、材料など製品に直結した部分を重視しているのに対して、ISOの要求事項は土壌、大気、水質など、もっと大きな枠を対象としている違いはありますよね。

 

若林:背景に顧客からの要求があるにせよ、企業の責任として環境問題には取り組んでいかなければならないと思っています。企業が存続するためには、顧客さえいればいいというのではないですよね。
従業員もいれば、社会全体と上手く調和して機能していかなければならない。
そのためにISOの仕組みを上手く使って、環境対策というものを行なっていこうと思っています。

 

 

世界に出て行くと、我々の持っているものの中に
価値の高いものはたくさんある

 

森岡:ここでISOから少しはなれて、御社が今後、どういった差別化を図って行こうと思われているのかなどを、お聞かせいただけますか?

 

若林:ひとつは高性能化を進めることで、通信の高速化に適応した部品として使われることですね。あとは、部品製造の技術そのものだけではなく、我々はその背景となる技術解析・性能解析などの基礎要素技術を身につけているので、我々の製品を使って機器を設計してくださる顧客に対して、弊社ならではのソリューション・サービスにビジネスを広げて行こうと考えています。
「この部品を作りましたので、いくらで買ってください」ということだけではなく、お客様が抱えている技術課題ついても一緒に考えて行けるよう、少しずつ向かって行きつつある状況です。

 

篠木:高性能化というお話が出ましたが、高性能を目指すに当たって、製造過程にはどんなことが具体的に求められてくるんですか?

 

清水:材料と構造ですよね。高周波になると、電波が反射して返ってきたり、返ってきた波と進行中の波がぶつかって打ち消しあったりするんですが、それがほんのちょっとした寸法だとか、ケーブルの径やテフロンの誘電率だとかで違ってくるんです。周波数が高くなればなるほど、コネクタを、より緻密に設計する必要が出てきます。

 

若林:ただ、図面の設計というのは理論上である程度できるんですが、部品の加工精度の限界などを踏まえてどういう構造にするかというのは、ノウハウがものを言いますね。

 

清水:半田付けにしても、テフロンは熱を加えると伸びてしまうので、そういった部分は、生産工程で色々と勘案していくわけです。

 

宮崎:どんなにいい部品でも、半田付けひとつで変わってしまうこともありますからね。

 

森岡:若林社長は、今年10月に社長にご就任されたばかりですよね。それまでも専務取締役として会社に従事されていらっしゃったとは思いますが、社長就任された前と後とでは、何か変化はありましたか?

 

若林:いきなり社長になったわけではなく、覚悟はしていましたので、突然変異はしていないですが(笑)、やはりなった前と後では違いますよね。
就任する前は「これまでも会社全体を見てきて、社長になった後でもやることは変わらないのだから、そんなに変化はないだろう」と思っていましたが、いざなってみると責任に対する意識だとかは変わります。
また、人が見る目も変わってきますよね。
日本の製造業、しかも中小企業で国内での仕事が中心となると「厳しいことだらけで、大変でしょう」と言われるんですけれども(笑)、世界に出て行くと、我々の持っているものの中にすごく価値の高いものはたくさんあるな、と思っています。それをきちんと国際舞台に出していければ、まだまだ日本の製造業というのは世界で活躍できると思うし、それを実行していきたいですよね。
とくに弊社は小さい図体でもあるので、フットワークは軽いですし、あまり大きくないマーケットでも、そこでうちは十分にやっていけたりもします。
そういう意味でも、積極的に動いて変化を起こして行きたいと思っています。
(敬称略)

 

 


 

お忙しい中ご対応いただき、ありがとうございました。

取材時、お互いにさっくばらんな雰囲気でお話になるお三方。
撮影のために技術部門へお邪魔すると、そこでも社員の方々の会話が活気に溢れて聞こえてきました。
各階層間での円滑な“意思疎通”、そして、経営層から各部門に対する積極的な“意思伝達”が、いわば組織の血液となり、確かな技術力とノウハウという筋肉を持って、組織全体を力強く動かしているように見受けられました。



【DATA】

株式会社ワカ製作所
所在地:東京都新宿区南町6番地
http://www.waka.co.jp/