お客様の声

本当に大切なことをスケジュールに
先に組み込んでいく。
そのスケジュールが、 年1回
J-VACさんに来ていただくことなんです。

 

水天宮前歯科医院様

温かみのある待合室

 

患者さんとじっくり向き合える
カウンセリングルーム

水天宮前歯科医院様は、「皆様が笑顔で幸せな生涯を過ごせるよう、歯と口の健康を守るために最善の奉仕を行なう」を医院理念に、患者とのコミュニケーション、明るい雰囲気作り、予防治療に重点を置かれた歯科医療を行なわれています。
2006年11月にISO9001認証を取得、以降2回の更新をされています。
今回は、真鍋秀樹院長にお話をお伺いしました。
(聞き手:J-VAC高久(審査員)、森岡(広報担当))

森岡: ISO認証を取得されようと思ったきっかけをお聞かせください。

 

真鍋: スタッフが女性が中心なんですよね。結婚や出産した後も続けてくれるスタッフもいるんですけれども、辞めていくスタッフの方が率としてはだいぶ多いんです。そうすると、ある程度の周期でスタッフが変わっていってしまう。
みんなで決めたことやみんなで作ったシステムが、なかなか定着せず受け継がれていかない。それがマニュアルを作っても何をやってもなかなか解決しないので、もっとシステム的に解決するようなことをやっていかないと、いつまでたっても“最初からやり直し”だぞ、と。そう思ったのが一番大きいですね。
何か手立てはないかな、他の企業はどうしているんだろうなぁと、立っていた自分のアンテナにISOが留まったんです。

 

森岡: 審査機関として弊社を選んでくださった理由は何だったのでしょうか?

 

真鍋: うちがお世話になっている歯科器具・材料メーカーがあるんですけれども、そこの会報誌でISO認証の取得を勧めていたんですね。
そのとき紹介されていたコンサルタント会社の方と一緒に何ヶ月もかけて準備をして、さあ、ISO認証申請をしましょう、といったときにその担当者さんが勧めてくださったのがJ-VACさんだったんです。
その担当の方は、事務的にただ取得させようというのではなく、僕が目指すものを一生懸命理解してくれて、ISOを役立ててもらおうとする気持ちが伝わってくる方でした。その方が「J-VACの森田社長なら間違いない」とおっしゃるし、初回の説明にはその森田社長がじきじきにおいでくださる。
もうそこで、「お願いします」って感じですよね(笑)

 

森岡: ISOを実際に取得され、維持されているわけですが、ご苦労されている点などはありますか?

 

真鍋: 苦労は…してないです。

 

森岡: えっ、苦労されていないんですか?

 

真鍋: 僕の大好きな本『7つの習慣』(スティーブン・コヴィー著)にも出てくるんですが、結局、期限がないけれども重要度の高いものというのは、一番後回しにされやすいんですよね。健康管理のために定期的に運動しよう、とか。将来海外で仕事ができるように英会話の勉強をしよう、とか。
その代わり、期限がある重要度の低い用事や仕事に毎日追われてしまう。
本当に大切なことは、先にスケジュールに組み込まないと、他のことでどんどん埋もれてしまうんです。うちにとってはそのスケジュールが、年1回J-VACさんに来ていただく日なんです。
自分の組織を見直すことって、重要だけれども期限が決まってないことだから、ついつい「いつかやろう」で先延ばしになってしまうんですよね。
体に悪い食べ物を食べて、フィットネスクラブにはいってはいるけども全然行かないでお金を払っているだけ、友達から誘われてついつい飲みに行ってしまう…(笑)
そのパターンから抜け出して、運動をきちっとして健康管理をするぞって決めたときに、先に入れなきゃいけないスケジュールがジムに行く曜日を決めることや、年1回の定期審査の日を決めることだって思っているんです。
そうじゃないと、「去年の定期審査で上がっていた改善事項はどうなっていますか?」って振り返る機会って、自分じゃ作らないんですよ、情けないことに。
それをきちんと、しかも自分たちの中だけじゃなく、書面上でもきちんと見ていただけるので、役に立っていますよね。

 

森岡: 弊社でも組織様に「審査は会社の健康診断と捉えて欲しい」とご説明することがあります。まさに、真鍋先生がおっしゃる通りのことなんですよね。

 

真鍋: そう思います。しかしそうは言っても、当日を完璧な状態で迎えられるわけじゃないんです。
なかなか準備しきれない部分がある。でも、そこで高久さんや審査員さんたちが来てくださって、その場で組織を一緒に見てくださる。それがすごくいいと思いますよ。

 

 

このよいループを、壊さないように、
力強く回していきたいなって思います。

 

ドアの裏側に貼ってある注意

 

左から小山田真由美様(受付兼管理責任者)、行方ゆかり様(歯科衛生士)

森岡: 御院で特徴的なものとして、カウンセリングルームがありますが、これはどういったものなんですか?

 

真鍋: 僕は18年くらい前から小さいながらも部屋を作っていて、それはアメリカのリンゼイ・D・パンキーという先生に教えられて作ったんです。
歯科医療の世界ではある程度有名ですが、パンキー先生には「歯科哲学」というものがあって、歯医者としての心構えとか、診療の姿勢を世界中の歯科医に教えていたんです。そのパンキー先生の哲学は、まず、患者さんを受け入れて、患者さんの話をよく聞きなさい、というのがスタートです。
例えば、50歳の男性が抜けたままになっていた奥歯を新しく作りにきたとします。
歯医者によっては、もしかしたらユニットの上から覗き込んで、「どうしましたか?」と聞きながら、答えを聞く間もなくブリッジを入れる準備をし出すかもしれない。
もしかしたら、インフォームドコンセントと言いながら、セラミックの歯やインプラントなど、保険適用外の治療を勧めだすかもしれない。でも、もっとその男性の話を聞いたら「抜いたのはいつですか?」「5年前です」「5年も放置しておいたものを、なぜ今になって治療しにいらしたのですか?」「会社の検診で糖尿病の疑いが出ました。まだまだ家族のために元気で働きたい。そのために、食生活を見直し、玄米のような自然食を中心としたものにしたいと考えています。
そのためには、玄米も噛めるような歯が必要なんです」。
この男性の本当の目的は、歯を入れたいんじゃなくて、玄米を食べて健康を取り戻したいってことなんですよね。じゃあ、僕は玄米を食べられるような頑丈な歯を作りましょう、となるじゃないですか。
このステップが、僕にとっては外せない第一段階なんです。

 

森岡: カウンセリングを担当されているのは、どなたなんですか?

 

真鍋: 昔は僕がやっていましたが、今は行方(歯科衛生士)と小山田(受付・管理責任者)がやっていて、主に行方が担当しています。
余計な情報を挟まずに、患者さんの話をよく聞くことができるという能力に、一番長けているスタッフです。カウンセリングスタッフの講習会などもあるんですが、これが時として、いかに利益率の高い治療方法を勧められるかに焦点が当てられている場合も多いんです。
そんな講習会の案内を行方に見せると、「同じカウンセリングでも、私は患者さんの本当の悩みを聞いて、痛みを理解した上で『力になりますよ』と言ってあげられるようなお仕事を任されて、幸せですね」って言って、すごく一生懸命に仕事をしています。
彼女の場合、月1回自腹を切って宇都宮まで行って、カウンセリングを含めた歯科全般の勉強をしていますよ。
スキル、人間性、コミュニケーション能力など、仕事に必要なことを理解して、自分を高めたいと思っているんですね。

 

森岡: 先生が目指すものが、スタッフの方々にもきちんと伝わっていて、それが皆様のモチベーション向上につながっているわけですね。
スタッフの皆さんも仲が良くて、コミュニケーションが良好な状態であることがとても感じられます。そういったコミュニケーションの土台というのは、どのように作られたんでしょうか?

 

真鍋: 僕自身色々勉強もしましたが…スタッフが、自分の任せられた仕事をよく理解してやりがいを感じてくれて、そのお陰で僕も患者さんにとってよいことができて、いいチームワークができて…といったことで、どんどんよい方向に回っている気がします。
このよいループを、壊さないように、力強く回していきたいなって思います。

 

 

患者さんのために、組織のためにいい行動を取る、
勇気を持って踏み出せるようになった

 

森岡: 先ほどお話にも出ました、小山田さんが管理責任者でいらっしゃいますよね。
管理責任者は組織全体について把握するべき立場になりますが、歯科衛生士の資格をお持ちでない小山田さんには、ご苦労もあるのではないでしょうか?

 

真鍋: ずーっと、「私は歯科衛生士じゃないから」と遠慮してました。
衛生士業務に関係しないことでも、波風を避けて、割と言わない性格だったんですよね。それが、僕が最近スタッフに広めようと思っていて、だいぶ定着してきた考え方によって変わってきたように思いますね。
それは、ジェームス・スキナー氏から教わったんだけど――僕がさっきから言っていることって、結局人から教わったことばかりなんだけど(笑)――「人間は無意識に質問をしている」と。そして、その質問の質が人生の質を決めてしまうんだと。
例えば、月曜の朝目覚ましが鳴って、「あれ、今日ってまさか月曜日?」って無意識に自分に聞いてしまう人がいるじゃないですか。
それに対して返ってくるのは、「あー、また一週間仕事しなくちゃならない」っていうしょぼい答えですよね。しょぼい質問にはしょぼい答えが返ってくる。
それを、もっと質の高い質問にしていけば、質の高い答えが返ってきて、人生が質の高いものになるんだと。
だから僕は、「私たちを信頼してくれている患者さんのために、どうすべきか?」という質問を自分自身にしなさい、とスタッフに言っているんです。
そこらじゅうのドアの裏側にも貼ってあるんですよ。
小山田も以前は「波風を立てないためには、どうすべきか?」という問いかけを自分自身にしていることが、傍から見ててもわかったんですよね。
それが、患者さんのために、組織のためにいい行動を取る、勇気を持って踏み出せるようになったので、管理責任者として上手くやれるようになってきたと思いますね。

 

高久: そうですね、例えば提出される書面上のものでも、改善に関するものが多くなってきていますよね。
一見、ISOとは無関係のようなものでも、どんどん見てもらおうという感じで。
その書類が少ないと、小山田さんご自身が「最近、少ないんですよね」と心配されるくらいで。今ではそれまで手がつけられていない状態だったものも少しずつ改善されていて、だいぶPDCAが回ってきましたね、というお話を先日の審査でもさせていただきました。

 

森岡: 冒頭、先生がISO運用にあたってご苦労を感じていない、とおっしゃっていましたが、何となくわかってきた気がします。
患者さんのために、組織のために、ご自身たちのために「こうしよう」と思われていることに、規格がスポッとはまって、軸を強固なものにしていらっしゃるようですね。
最後に、弊社に対するご意見がありましたら、お聞かせください。

 

真鍋: 歯科業界以外のことはわからないんですけども…ISOを使って、もっと良くしていこうと思う歯科医院があったら、そういう歯科医院が増えていったら、ぜひ成功してもらいたいなって思うんです。
今日本の歯科は、すごく寂しい状態なんです。歯科先進国であるアメリカでは、歯医者はすごく人の役に立つ仕事として感謝されているんですよ。
ここ20年くらい「なりたい職業」のベスト3にはいってる。
昨年僕が訪れた南カリフォルニア大学(USC)の歯学部の学生たちも、33倍という難関を通って、憧れの職業に就くための勉強をしているということで、すごく誇りに満ちた顔をしている。当然、勉強に対して熱心でもある。それに対して、日本の私立大学の歯学部は多くが定員割れの状態です。
チームワークを良くしたい、仕組みを良くしたい、目標を見直したい、そういう悩みの一部はISOで解決できると思うんですよね。
だからJ-VACさんが、そういう先生たちの成功を助けるような審査をしてくれたら、本当にいいなって思います。

 

(敬称略)

 

 


 

お忙しい中ご対応いただき、誠にありがとうございました。

取材前、「ちょっと待っててくださいね」と真鍋院長。
診察時間が終わった診療所の奥からは、スタッフのお誕生日を祝う歌声が聞こえてきました。
理想とする組織像を明確に持ち、そのフレームワークとしてISOを利用されているご様子は、ともすると戦々恐々としながら適合性ばかりを追ってしまいがちなISO運用現場に、改めて新鮮な風を送ってくださるようでした。



【DATA】

水天宮前歯科医院

所在地: 東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目29-6 水天宮前東急ビル2階
診療時間:月~金曜10:00~13:00/14:30~18:30、
     第1土曜10:00~13:00/14:30~17:30
休診日: 第2~5土曜・日曜・祝祭日
URL:  http://1818.gr.jp/